上砂川町

投稿者: | 7月 11, 2020

北海道空知地方にある人口3000人ほどの小さな町。2015年の国勢調査時には3500人近くあった人口が、たった二年で一割も減少した。北海道で一番面積の小さな自治体でもある。産業はない。特産品も無い。この辺りは雪質が非常にいいのだが、スキー場はとっくの昔に閉鎖されている。水道の水源は隣の歌志内市。農家もいない。土地が泥炭層のために耕作に適していないのだ。町内では至近距離でシカを見ることができる。

鹿
車からスマホでこのような写真が撮れる

以前は大規模な椎茸工場があり町の特産品としていたが、その会社が生産を中止。街のキャラクター「しーたん」はしいたけをモチーフにデザインされたが、その根拠がなくなってしまった。

人口高齢化率は50%前後。町長も議員もなり手がいないため、久しく無選挙状態が続く。議員の年俸は220万円だから、バイトでもしないと、議員だけでは食えないのだ。それも8名しかいない議会なので、自民系から共産党までが同じ会派なのだ。

私がこの街にお世話になって四年になる。住んではいないが、上砂川商工会議所青年部に籍を置き、青年部活動に勤しんでいる。一年目と二年目は年間を通して街を訪れた。ところが、この二年ほどは忙しくて年に一度しか訪問していなかった。

これではいけない。

今年は少し長く滞在してみようと思う。自然豊かなこの街の魅力を、少しでも多くの人に伝えたい。私の持つ全国の情報を、この街の人に伝えたい。私ができる恩返しはそれくらいだ。

ふきのとう

一年ぶりの上砂川では5月中旬に桜が満開だった。商工会議所の庭にフキノトウの花が咲いていた。

上砂川町にはホテルが一軒しかない。となりの砂川市にもまともなホテルが一軒しかない。いずれも満室だったので、滝川市に宿泊した。翌朝は特急ライラックで札幌まで行き、快速エアポート号で新千歳空港だ。かつては旭川方面から空港まで乗り換えなしで行けたのだが、今は必ず札幌乗り換えだ。最近は旭川以遠から来る列車は旭川乗り換えになった。

特急ライラック号

まったくもって、不便だ。

財務的に破たん寸前のJR北海道は、乗客の利便性よりも、自分たちの資産のやりくりでいっぱいいっぱいだ。観光列車を作る金も、新幹線車両を開発する金も、古くなった列車を新しくする金もない。JR東日本に吸収合併されなければ、会社が持たないことは明白だが、それもできないようだ。北海道はこれから急速に人口減を迎え、観光需要への対応が必須なのだが、ほとんど対応できていない。

そんなにJR北海道が要らないなら、中国企業にでも売ればいい。中国人は北海道が大好きだ。品は悪くなるが、経済的には間違いなく潤う。国策的にはどうかと思うが。