島原で少子化を考える ~政治家が育児に関心を~

投稿者: | 7月 11, 2020

長崎駅の表示をみると、ああ、ここは文字通りターミナル、つまり終点なのだと実感する。陸の端、ここから先は海なのだ。江戸時代には唯一の西洋との接点であった。ここから電車で諫早駅に向かう。ここも新幹線の工事が進んでいた。

長崎駅でも大規模な再開発が行われている。ジャパネットたかたの創業者が代表を務めるサッカーチームのホームグラウンドも長崎駅の近くにできるそうだ。長崎県にとっての新幹線のインパクトを垣間見るようだ。

長崎駅

諫早からは黄色いちっちゃな列車に乗り換える。島原鉄道。7〜8年前に乗って以来だ。終点の島原外港まで乗り、駅を降りる。タクシー乗り場の表示に従って進むが、それらしき場所は見当たらない。たまたま港から空車で出てきたタクシーを交差点で捕まえることができた。運転手によると、鉄道はほとんど利用者がいないので、タクシーもいないとのことである。

マイカーが普及して公共交通機関の存在価値が低下し、利用者が減る。唯一の利用者層であった高校生も少子化で減るばかり。増える要素はまったくない。

そうだろうか。

島原鉄道 急行

まず、高齢者は車を運転できない。自動運転が実用されるまでは難しいだろう。次に観光客だ。特に外国人はレンタカーが利用できない。こちらも自動運転が実用化されれば解決するかもしれないが、公共交通機関の運賃の安さは魅力的だ。とは言え、船に30分乗れば熊本市内にアクセスできることを考えれば、長崎空港まで1時間半もかけていくより、福岡空港からアクセスした方が便利かもしれない。港にたくさん車がいるわけだ。

結局、地域の足でしかない島原鉄道は、いずれなくなってしまうのだろう。島原駅の土産物店も三月末で閉店すると張り紙がしてあった。

少子化は国から活力を奪う。長寿化により人口減少に歯止めがかかったとしても、平均年齢が上がれば、地域に活力がなくなる。実際、日本全国あちこちで、伝統的に続けられてきた祭りが中止されている。私には四人の子供がいる。妻は一人だ。バツイチだが、元妻は日本籍ではないし、外国に住んでいる。

だから私は二人の日本人で四人の子供を持つ計算になる。人口増に貢献しているのだ。だが、この歳で子供を持ったからこそ、この国における育児の難しさを実感している。ところが、子育て世代は人口構成では少数派だ。

それでも、もっと政治に興味を持ち、選挙に行き、声を上げなければこの国は壊れてしまうように思う。無責任な人たちが大きな声を上げて、権利権利と叫んでいるのを、指をくわえて見ているだけでは、自分たちの子供たちが希望を持てなくなると思うからだ。