無断キャンセルに思う

投稿者: | 7月 11, 2020

食を楽しむのではなく、会話の場を提供するための飲食店というのが存在する。基本は個室。テーブルとは限らず、掘りごたつだったり和室だったり。メニューは弁当かコースのみ。弁当と言えども、価格がそれなりなので、ほか弁みたいなものは出てこない。客層は年齢高めなので、必然的に味は薄めでアッサリ、量は少なめで種類が多い。そして、両手を使って食べるようなものは出てこない。

こういう店はかなり需要があるようで、東京駅近辺にもいくつもあるが、常に予約がいっぱいで、一ヶ月前でないと予約できないのが現状だ。最近は「全室個室」を謳う居酒屋もあったりする。ただ、それなりのサービスと料理のレベルを求めれば、それなりの値段になるが、ランチだと夜に居酒屋で飲むよりは安くすむ。一休.comあたりで予約するのだが、ネットで予約が便利になったのは私だけではない。世の中が便利になったのだから、予約がいっぱいになるのは当然だろう。

居酒屋のようなリーズナブルな店では、ネット予約を止めているところもある。予約して来店しない客が増えたそうだ。連絡もつかないから泣き寝入りだ。しかし、高級店ではそのようなケースも少ないのだろう。特にランチなどは間違いなく若い人は使わないから、店としても安心できるのだろう。わざわざ予約前日に、今日の2時までに連絡なければキャンセルできません、と電話がかかってくるのだ。

登録制の予約サイトなら、店側も客の予約実績を確かめることができる。数多く利用していて、かつドタキャンがない客が理想的だろう。無断キャンセルなど言語道断だ。一歩間違えれば「威力業務妨害行為」になりはしないかと思う。出張先でたまたま立ち寄った店で、団体客の無断キャンセルがあり、店主が頭を抱えているのを見たことがある。

一人二人ならともかく、10名以上の無断キャンセルとはなんだろうか?何日も前から予約しているのだから、10名以上もいれば一人くらいは間違って、もしくは連絡がつかなくて店に来てしまいそうだが、それもないというのは、予約だけとって、人が集まらずに、ドタキャンしただけではないだろうか。店にとっては死活問題だ。「予約キャンセルデータベース」が繁盛するのもよくわかる。

ただ、このサービスは現在は電話番号の取得が法的にグレーである。予約時に電話番号がデータベースに登録されることが、事前に説明されないからである。また、間違った電話番号を店が登録した時の責任も曖昧である。

むしろ、電話予約を一件200円程度で受けてくれるコールセンターやネット予約のサービスがあれば、安価なので飲食店も使えるし、予約キャンセルの電話番号はセンターで管理すればいい。予約時に「なお、お客様の情報は予約キャンセル等の情報として使用されます。」と伝えてから予約を承ればいいだろう。これだけでも十分に警告になる。今のコールセンターでは採算が合わないが、AIを使えば劇的にコストを下げることができると思う。

人に大きな迷惑をかけてお咎めなしになるようでは、誰もが悪い方に流れるのが世の常。ITで悪い流れを止められるならば、実現するべきと思う。