家事のしすぎが日本を滅ぼす

投稿者: | 7月 11, 2020

こんなタイトルの本があった。作者のインタビュー記事を読んだのだけど、違和感がかなりあった。

まず、男性が家事に参加しない、しても子供レベルという議論は納得する。夫は「家事をしてる」と主張するが、女性はそうは思わない。

このギャップは何か?

それは、男性は妻に言われたことをしているだけで、単独で自分で家事を終了させることができない。妻の指示がないと家事ができないのだ。それでは子供と同じだ。

なるほど。

私の場合は、朝起きてから一通りの家事が終わるまでの手順が大体ルーチン化されている。普通の日、ゴミ出しがある日、けいたまの保育園がない日(週末など)の3パターンだ。

このルーチンのどれを妻と分担するのか。基本的には手が空いてる方がする。妻が洗濯機を回して洗い終わっても、別の家事をしていれば私が干す。朝食は妻が作ることが多いが、妻が何か別のことをしているときは、私が作ることもままある。妻が朝食の準備をしているときは、私がけいたまの面倒を見ていたりする。

最近はゆうたまの世話も加わったので、オムツを替えたり、ミルクを飲ませたり、抱っこしたりと、まだ生まれたばかりだから楽なのだが、これからだんだんと手がかかる。

理想的には完璧に家事をしたい。百点を目指すのは当然だ。

しかし私は現実的には60点でいいと思っている。手を抜くところは抜けばいい。金で解決できるならそれでいい。

換気扇やエアコンの掃除は業者にさせる。エアコンは壊れた際にフィルター掃除機能付の機種に買い替えた。なかなか楽だ。食洗機も買ったし、ミルクを作るのに便利なポットも買った。ワイシャツやかりゆしウェアはアイロンがけがめんどくさいので、クリーニングに出してしまうか、シワにならない素材のものを買う。

それだけでない。知恵や知識も必要だ。例えばキッチンや風呂のカビを取るには、カビキラーを吹き付けてから、サランラップを貼ると効果的だ。油汚れにはマイクロファイバーの雑巾が欠かせない。洗剤いらずだ。洗濯機には衣服の絡み防止のグッズを使う。取り出す時のストレスが無くなった。かつては「伊東家の食卓」のようなテレビ番組から得られた情報が、今やネットでいくらでも検索できる。

包丁はダイヤモンドシャープナーよりも砥石の方が断然切れる。昔と違って、今は簡単に研げる砥石も売っている。切れない包丁はストレスがたまるし、作業効率も悪い。その上、手を切りやすくなるので危険だ。

ご飯は毎日、手作りで食べさせたいけど、作る気が起きないときや、出張帰りで疲れてる時もある。そんなときは惣菜を買ってきて一工夫したり、冷凍食品や弁当を買う時もある。レトルトのハンバーグもいいのだが、調理済みの生ハンバーグを買ってきて、来ね直して自分で焼くだけでも、ずいぶんと本格的になる。

炊飯器で炊くと、米を吸水させなければならないから1時間半はかかるが、圧力鍋を使えば、吸水いらずで30分もかからずに炊き上がる。焼き魚もグリルを使うと掃除が大変だが、煙らん亭なら簡単だ。煙も出ない。トレイにアメリカ製の分厚いアルミホイルを敷けば、掃除も手入れも楽々だ。

育児は保育園や幼稚園を有効活用だ。働かないと保育園に預けられないなんて、ナンセンスだ。心身共に余裕がなければ人には優しくなれない。余裕を作るのはお金と時間だ。ゆとりがあれば、いちいち子供に怒ることもない。駄々をこねる姿も可愛く見える。それにプロの方が育児がうまいのは当たり前だ。保育園のほうが家よりも広いから、子供も遊び回れる。

中国なんて、子供が産まれて断乳したら、田舎の両親に預けてしまうくらいだ。保育園は3歳から。しかも月曜日の朝に預けて、金曜日の夕方に迎えに行くのだ。

こうでもしないと、私も妻も時間を家事と育児にとられっぱなしになって、二人の時間ができない。家事なんて仕事と同じで、楽して結果を出せばいいのだ。パソコンにやらせるより手作業の方が正確だなんて言ってる人は仕事ができないことと同じことだ。

それが大半の夫婦は、妻が家事を抱え込み、夫は任せっきりといえば聞こえがいいが、押し付けっぱなし。空いた時間で家事を手伝うどころか、家の外で彼女を作って楽しくやってるのも少なくない。とは言え、考え方は人それぞれだし、行為に伴う結果は自分が責任を負うのだから、反対も否定もしない。

ん?なんだか私の言ってることも、この著者の言ってることも似たようなことに思えてきた。

なぜ、違和感を覚えたのだろうか。

ああ、きっと家事をしない世の男性と同一視されたのがムカついたのだな。著者は「日本人男性はまともに家事ができない。」と断定している。世の中には五十路でもこんな男性がいるのですよ。