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会議はカラオケボックスで
私は仕事の打ち合わせにカラオケボックスを使うのが好きだ。そもそも誰に聞かれているのか分からない、喫茶店や共用スペースでの打ち合わせが嫌いだ。ああ言うところで仕事をしている人の声が聞こえると、私はついつい耳ダンボになってしまう。ああ、この人はトラブル処理をしているのだなあ、こっちは新製品の売り込みか、大変そうだな、などとついつい聴き入ってしまう。
若い頃に叩き込まれた習慣というのは体に染み付いて、一生付きまとうものである。私は初めての仕事が、IT業界で大手メーカーの仕事だったので、工程管理、品質管理、設計書作成などを徹底的に仕込まれた。納品するにはメーカーの内部基準に適合しなければならないのである。社員も外注も同じルールで仕事をするのである。何も知らない私は散々怒られたものだ。こうして、エンジニアリングを習得させられたのである。
この価値を本当に理解できたのは、割と最近のことだ。ベンチャー企業や中小企業のエンジニアは、このような教育を受ける場がない。日本の学校ではエンジニアリングを教えることがない。現役のエンジニアが教員になることは滅多にないからだ。
日本では教員のほとんどは研究者、もしくはユーザーなのだから、教えられるわけがない。これが人材不足につながり、日本のIT業界が世界から取り残された要因でもある。この国は人材育成基盤がガタガタなのだ。
三十歳を前にして、自社開発の製品が認められてソニーのVAIOに搭載された。このときはなにかとNDAを結ばされた。Non-disclosure agreement 、秘密保持契約のことである。
アイデアや技術は盗まれたら終わり。
その昔、今は世界的メーカーに成長したXiaomiのCEOである雷軍にやられて学習した。
だからこそ、誰が聞かれているのか分からないような場所で、仕事の話をするのが嫌いである。本人は大したことがないと思っていても、聴く人によっては大きな価値になるかもしれない。
本日の会議も招き猫で行った。お茶も出てくるし、なかなか快適であった。
屋形船で忘年会
長い会議を終えると、本日は会社の忘年会。しかも屋形船である。乗るのは二度目だ。以前、私の再婚を祝って、資産家の鈴木が招待してくれたのが初めての屋形船であった。
今回は総勢30名ほどの貸切だ。会社近くの浜松町金杉橋付近に何件かある、屋形船の店から船に乗り込む。料理は鍋と天ぷら。かなりのボリュームだ。酒は持ち込み飲み放題。
東京湾まで船が走ると、レインボーブリッジが見える場所に停泊した。闇に浮かぶライトアップされた吊り橋が美しい。私は生まれてこの方、乗り物酔いをした記憶がない。一度、船に乗って吐いたことがあるが、二日酔いであった。しかし、船に弱い人はこんなに安定した状態でもダメらしく、何度かトイレで吐いたと、後になって話していた。
二時間ほどで屋形船の宴会は終了。その後、各自で二次会に。私は四谷の沖縄倶楽部「たまき」へと向かった。壁には玉城デニー知事の写真が飾ってある。ママによれば、数カ月前にお忍びで来店したとのこと。
「ここに来たことを誰にも言わないで。」
と言われたそうだが、記念撮影に応じたので、後日、それを壁に掲げたそうだ。
ランチはビビンバ
翌日は朝から会議であったが、社員が一人遅刻。女子社員数名で三時頃まで部屋飲みしていたためだそうだ。会議が終わった時間がランチタイムだったので、みんなでお昼を食べに行くことにした。行先は先日食べたちぢみや。韓国料理が大好きな女子たちも興味津々であった。
私はビビンバとスンドゥブセットを注文。なんとなくがっつり食べたかった。社宅に泊まると朝ごはんがないために、通常よりも空腹が激しいのだ。
ビビンバはなかなかのボリューム。玉子焼きと絡めて食べる。石焼もいいのだが、スンドゥブが熱々なので、普通のビビンバの方が合っているように思えた。この店の料理はなかなか美味である。
スンドゥブは見た目の通り熱々である。フーフーと冷ましながら救って食べる。淡白なビビンバと辛さのスンドゥブの組み合わせは予想通りであった。女子たちも美味しいと喜んでくれてている。
見た目ではわからなかったが、スッカラ(スプーン)で石鍋をすくってみると、なかなかの具沢山だ。食べ応えもある上に、体にもヘルシーである。野菜が不足すると便秘になるから、外食が続くときは積極的に食べなければならない。
一言申すならば、次回セットを頼むときにはビビンバのご飯を半分にしてもらおう。食べきれなかった。
さて、ランチも済んだ。女子たちは会社に戻った。私は沖縄に戻ろう。これで年内の出張は終了だ。年末年始は沖縄で家族とゆったり過ごすのだ。
50年ほど生きていれば、いろんな経験をするものだ。さほど破天荒な生き様だとは思わないのだが、あまり他人が知らないことを見知ってきたらしい。そんな私の人生の切れ端でも誰かの役に立つかもしれないなら、記録として残す価値はあるかもしれないなどと考えながらブログを更新している。(詳しく読む…)