会議場の選び方 ~参加者によって会場が変わる~

投稿者: | 7月 11, 2020

三年前から会社主催の不動産セミナーを担当している。沖縄県内の不動産を県外や海外の居住者に紹介するためである。一部上場の大手不動産会社なら当たり前のように行なっていることだが、地方の一企業には荷が重たい。

最初の年は何をしていいのか、まったくわからずに手探り状態だ。物件の紹介はできる。そのための営業マンなのだが、そもそもどうやって人を集めるのか。物件以外のことは何を話せばいいのか。セミナー来場者が求めている情報とは何か。思考錯誤しながら、三年目にしてようやく形ができつつある。

そんな中で非常に感じたのが会場の重要性だ。駅からそこそこ近くて、人が集まって、説明するスペースがあれば構わないだろう。最初はこんな程度にしか考えていなかった。二年目にして、この考え方が間違っていると気付かされた。主力の不動産は新築分譲マンションである。地方とはいえ安いものではない。

一般の住宅とは異なり、沖縄の場合は居住用や投資用だけでなく、セカンドハウスや将来の移住用などの目的で購入される方も少なくない。購入者の年齢層が普通の住宅よりも広いのだ。

通常のファミリータイプであれば、購入層は若い夫婦である。この人たちは子供が大きくなると、マンションを売って郊外に一戸建てを買ったり、家を建てたりする人が多い。売らずに賃貸で不動産収入を得る人も少なくない。

しかしセカンドハウスや居住用、投資用で購入されるのは五十代以上が多く、七十代も珍しくない。セミナーにこの層の方々を呼び込むには、駅から近いことがとても重要なのだ。基本的に徒歩五分以内でなければならない。会場もある程度のレベルが求められる。

ネットからは分からないこともたくさんある。ウェブを見た限りでは会場に申し分ないように思えても、実際にセミナーをすると、マズかったなあ、なんて思うこともしばしばあった。

開催するセミナー会場にふさわしいかどうかを判断する簡単な方法は、同じ会場で同種のセミナーが開催されているかどうかだ。駅から少し離れた小綺麗な会場は機能的だが、セミナー受講者は若い人が中心だ。10分くらい歩いても平気だからだ。セミナーの内容も自己啓発系やビジネス入門系のものが多い。会場代もリーズナブルだ。

医学系学会、不動産、金融、管理職研修が並んでいる

不動産や金融は滅多にない。

ターミナル駅から近くて、それなりの内装や設備を持った会場だと、必ず不動産や金融系のセミナーが開催されている。医学系の学会などが開催されていればなおさら良い。会場代はお安くないが、それなりのサービスが提供されるので、安心である。ただし、会場がゆったりするだけの広さがないと台無しになる。

一番まずいのは公共施設だ。会場代はとても安いが、不動産や金融とは雰囲気がそぐわない。ぶっちゃけて言うと、金持ちが来ない。

そんなこんなで、今回の会場は東京駅八重洲南口の真ん前、みずほ証券のビルの中となった。さあ、吉と出るか凶と出るか。