消えゆく地方自治体 ~赤字運営と人口減少~

先日、印象的な話を聞いた。日本の人口が減少しているのは、誰もが知っていることだと思う。この流れは当分止まらないだろう。地方自治体も勝ち組と負け組にはっきり別れる。人口が増える、もしくは現状維持ができる自治体と、人口減で消滅する地域に分かれると言うのだ。

この差はどこから来るのか。それは自治体運営の違いだとのことだ。財政が黒字の自治体は、住民サービスも充実できる。赤字の自治体は少しずつ何もできなくなる。

赤字を埋めるために行政ができることは何か?売上増加と支出削減の二つだ。

売上増加とは、税収増に他ならない。住民税や固定資産税の値上げ、水道代などの公共料金の値上げである。

増税だ。

支出削減とは、職員の給与削減もあるが、その前に住民サービスのカットだ。コミュニティーバスの廃止だったり、公共施設の閉鎖である。生活が不便になる。

税金が上がり、住民サービスが減ればどうなるのか。住みにくくなり、転居や移転する住民が増えて人口が減り、さらに財政が悪化し、税金が上がる、負のスパイラルに陥るのである。

これが公務員の限界だ。官僚には「儲ける」と言う発想がない。東京の大企業を呼び込んで、地域に流通する通貨量を増やす、なんて着想は行政マンにはない。

反面、メンツにこだわり赤字を垂れ流す例もある。とある地方の例で言えば、隣り合う二県に空港が三つある。黒字空港が一つ、あとは赤字だ。ならば、赤字空港を閉鎖して、黒字空港に路線を集約し、利用客も集中させれば、海外からのLCCを呼び込む芽も出てくるだろう。しかし、現実はそうならない。官僚出身の知事が公約しているのだ。

「私の目の黒いうちは、廃止などさせません!」

その維持コストは年間数億円。ジリ貧である。決して豊かな財政ではないはずなのに、なんのために年間数億円も垂れ流すのか。簡単である。選挙対策なのだ。まさにポピュリズム、ここに極まれり、である。

いくら頭が良くても、商売の経験がない者に経済の発想は出てこない。人口減少時代では、行政が経済と密接に結びつき、東京や海外から資本を呼び込めるかどうかに地域の未来がかかっている。