地頭鶏(じとっこ)とは、宮崎や鹿児島で昔から飼育されていた鶏。美味しい鶏肉として知られており、江戸時代には地頭(じとう)に献上していたことから「地頭鶏」と呼ばれるようになったとのことである。(出典はこちら)
はて?地頭とは江戸時代にあっただろうか。あれは平安時代の職ではないだろうか。調べてみると、薩摩(鹿児島県)藩では江戸時代でも城代(じょうだい)のことを地頭と呼んでいたそうだ。これは城主代理のことであるから、かなりの要職である。
それくらい美味い鳥だが、東北で有名な比内鶏(ひないとり)と同じく天然記念物である。食べることはできない。一般的に食されているのは「みやざき地頭鶏」という名の品種だ。地頭鶏を原種とし、15年をかけて開発された品種である。
沖縄にも「地頭鶏」というチェーン店がある。居酒屋にも宮崎の「もも焼き」をメニューに載せている店がある。あの見た目が真っ黒なやつだ。
こいつが美味くない。
固くて、炭臭くて、何が美味いのかさっぱり分からない。見た目のインパクトと「炭火」という言葉の掛け合わせだけで売れているのではなかろうかと思う。
なので、自分からオーダーして食べることはない。土産に買うこともない。私にとって無い無い尽くしの一品なのだ。宮崎牛は食べたくても、チキン南蛮は食べたくても、宮崎で地鶏にはまったく興味がない。食べる価値すらない。縁もない。
私にはどうでもいいことなのだ。
本場、宮崎で本当に美味いもも焼きを食べるまでは、そう思っていた。
50年ほど生きていれば、いろんな経験をするものだ。さほど破天荒な生き様だとは思わないのだが、あまり他人が知らないことを見知ってきたらしい。そんな私の人生の切れ端でも誰かの役に立つかもしれないなら、記録として残す価値はあるかもしれないなどと考えながらブログを更新している。(詳しく読む…)