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長崎への旅 ~長崎新幹線について思う~

長崎に行こう

佐賀駅でランチをすませると、特急かもめ号で長崎駅に向かう。終点までは1時間17分。車窓からの景色を楽しみながらの移動だ。建設中の長崎新幹線は武雄温泉から長崎までのみ。佐賀県の県境と長崎県内のみを走る。新鳥栖と武雄温泉の間は建設のめどが立たない。

新幹線と在来線では線路の幅が違うので、車輪の幅を自由に変えられるフリーゲージトレインで長崎本線を走るとされていたが、開発に失敗した。山形新幹線や秋田新幹線は在来線を走るが、線路幅は新幹線に合わせてある。

特急かもめ号
特急かもめ号

明治の時に日本は土地が狭いから、狭い幅(狭軌と呼ぶ)で線路を引いたのが始まりのようだが、明治時代後期から何度か狭軌を新幹線と同じ標準軌にするべしという意見が何度も出ては消え出ては消え、大陸の満州鉄道を除けば、日本の鉄道は狭軌のみとなってしまった。それが100年経っても尾を引いている。もしも長崎本線が標準軌であれば、フリーゲージトレインも不要で、新幹線がそのまま走れたかもしれないのだ。

インフラは一旦作ってしまうと、簡単には取り替えが効かない。ハードだけでなくソフトも同じだ。教育制度や官僚制度がまさにそれだ。むしろ何もないところにインフラを導入する場合は、最先端技術を一気に普及させられる。中国の高速鉄道や有線電話のない地域への携帯電話の導入などがそうだ。黒電話は知らないが、タブレットを使いこなしている地域が地球上には確実に存在するのだ。

長崎新幹線

昭和48年に整備新幹線が法で定められてから、まもなく半世紀。北陸新幹線の敦賀〜新大阪間は令和37年度、還暦手前の皇太子が即位して40年近くである。人生100年時代などというが、おそらく次代の天皇に変わっているだろう。長崎ルートに至っては、佐賀県内部分の建設の目処すら立っていない。むしろリニアが先に大阪まで開通するのではないだろうかと思う。

特急かもめ号 先頭車

特急かもめ号は一路、長崎を目指す。新幹線ならものの30分ほどで着くだろう。先頭車両の一番前がなんだか豪華席になっている。どの切符を買えば座れるのだろうか。

なぜこんなにも、物事が決まらないのか。それは新幹線の建設は公共事業であり、佐賀県も金を出すからに他ならない。日本で一番財政の小さな県である。しかも、長崎新幹線ができたところで、佐賀県民が受ける恩恵が少ないのだという。費用対効果が見込めないためらしい。

これでは永遠に新幹線が長崎までつながることはないだろう。佐賀のせいで長崎まで新幹線が通らない。これは地域の軋轢にもなるだろう。北陸新幹線でも新潟県を通る部分において同じような話があり、当時の知事ともめた記憶がある。かつては誰よりも早く世界を見て、最先端技術を誇った鍋島藩が治めた地。それが新幹線を否定するとは皮肉な話である。

それに新幹線は長距離路線であり、博多と佐賀市の間は近距離路線だ。新幹線とは被らない。むしろ、関西圏に乗り換えなしで行けることは、佐賀市民にとって悪い話ではないと思うし、長崎県寄りの空港から離れた観光地には、多大な恩恵があると思う。

北陸新幹線がいい例だ。

開業前の利用者数予測を大きく上回り、金沢では土地も宿泊費も値上がりした。今はインバウンド人口が無視できない時代である。新幹線が開通することで新たな魅力が身近になるなら、訪れる人も増えるだろう。その気になれば十年で開通させられるはずだ。整備新幹線を早く終わらせて、交通僻地をなくさなければ、この人口減時代でも東京一極集中はますます進むだろう。