行政の作為的無責任は誰のせいか ~同じ問題を繰り返さないために~

早朝のフライト中の出来事

朝一番の飛行機で沖縄から東京に向かう。同じ会議に出席する社長と秘書もたまたま同じ便であった。飛行機に搭乗し、離陸を待っていたら、妻からメッセンジャーが飛んできた。

あ、機内モードにしてないや。え?

「近畿地方で緊急地震速報が出た。」

え?

続いてのメッセージ。

「大阪で震度6弱」

マジか?しかし、飛行機は動き出している。スマホを機内モードに切り替える。大阪には実母もいれば、知り合いも多くいる。会社の支店もある。

大丈夫だろうか?

ヤキモキするが、離陸後、ネットか使えるようになるのを待つしかない。20分ほどしてシートベルトサインが消灯した頃にネットが繋がった。茨木、高槻あたりの被害が大きいと言う。

高槻?

実母の家がある。急いでメールしてみる。以前はガラケーを使っていたが、最近、iPhoneに機種変したらしい。すぐに返事が来た。

「鹿島神宮にお参りに来てます。自宅は食器がだいぶ割れたようです。」

茨木じゃなくて茨城にいたのかよっ!紛らわしいわ!ではなく、無事でよかった。

続々とLINEやFacebookで安否情報が流れてくる。幸いなことに、知人らは全員、無事のようだ。

誰か死ぬまで放置だよ

数日後、浜松町駅に向かって歩いていると、ホームからアナウンスが流れてきた。

「御徒町駅で線路に人が立ち入ったと情報があり、現在、山手線の運転を見合わせております。」

なんだか、最近はこんなのばかりだ。日曜日は停電で東北新幹線が混乱。月曜日は朝方に大阪で大きな地震があって新幹線が止まった。わずか六時間で全線運転復旧はさすが。何日か前には、新幹線の社内で女性を切りつけた通り魔事件もあった。小倉あたりのトンネルで新幹線が人を轢いた事件もあった。

異音に気付きながら新幹線を停めなかった運転手とJRを、マスコミは一斉に責め立てたが、そもそも新幹線の線路を人が歩いているなんて、誰が想像できるだろうか。開通して五十年以上も経つ新幹線で、一度も前例のないことが起きたのだ。運転手を責めるのは酷だと思う。なのに、世の中には人を責めることで正義感を感じたり、自分が正しいことをしたと悦に入る人のなんと多いことか。

地震で違法建築の壁が崩れて女児が亡くなった。いや、これは殺人だ。立場上、市長が謝罪するが、本当に謝罪すべき人間は別にいるはずだ。

子供たちが通う学校の校舎が老朽化して、天井のコンクリートが剥がれて落下したり、震度5で倒壊すると診断されているのに、放置されている建物はたくさんあると思う。私自身の周りにも存在する。なぜ放置されるのか?財源がないから。職員たちは言う。

「誰か死ぬまで放置だよ。」

違法建築物を道路ぎわ、しかも通学路に長年放置したのは誰のせいだろうか。大阪は阪神淡路大震災で大きな被害を出した。その教訓から危険なブロック塀の安全対策には力を入れてきた。問題のブロック塀も、防災の専門家から危険を指摘されていた。校長は教育委員会に調査を依頼した。教育委員会は素人を現場に派遣して調査させ、問題なしとした。

市役所には建築主事といって建築確認を行う専門家が必ずいる。高槻市にも審査指導課がある。教育委員会の職員が建築基準法に精通しているとは到底考えられない。自分たちがわからないことを、同じ組織の専門家にどうして相談しなかったのか?

残念でならないし、同じことを繰り返してはならないと思う。

建築士会の一部では、これを機に、地元の学校のブロック塀を無料で検査することを検討しているそうだ。彼らは専門家だ。自分の子供たちや、まだ見ぬ孫たちのためにも、ぜひとも実現してほしいと願わずには入られない。