新幹線について考えてみた ~IoTとAIが地方を救う~

投稿者: | 7月 11, 2020

久しぶりに集まった仲間六人のうち、埼玉県民はひとりだけ。私は埼玉育ちで、しかも一年ほど前までは朝霞に住んでいた元埼玉県民だ。あとは茨城、新潟、富山、三重だ。

富山県民が言った。

「大宮近いよ!たった二駅だよ。もう、コンビニ感覚だね!」

新潟県民は一軒目で帰った。最終は22時だと言う。新幹線が通ると本当に距離が近くなる。生活が変わる。イノベーションだ。地方が新幹線を欲しがるのも当然だろう。三重もリニアが通ると言う。茨城県民は地理的にはほぼ栃木に住んでるので、すでに新幹線の恩恵にあずかっているというか、大宮からは宇都宮線で30分だ。

四国や山陰に新幹線が通る日は来るのだろうか。

日本全国に言えることだが、新幹線以外の在来線、つまり旧国鉄の多くの路線が戦前に開通している。当時の土木技術や様々な事情により直線に線路を引けなかったり、トンネルや橋を作れなかった個所が相当ある。これでは多くの路線が、東京オリンピック後に整備された高速道路に敵うはずもない。逆に近年になって開通した新幹線や智頭急行、北越急行の路線はほぼ直線の上に踏切がない。

新幹線が平均時速200キロ以上で走るのに対し、在来線は新型列車を投入したところで、線路の幅も狭くて線路も曲がりくねっている上に、踏切もあるため、頑張っても平均時速70キロだ。インドネシア政府が在来線高速化を日本企業に打診しているというが、その前に国内の在来線をなんとかするべきではないか。京成線の成田アクセスラインは新幹線ではないが、時速160キロで成田空港と上野を36分で結ぶ。前述の北越急行線も北陸新幹線が開通するまでは「特急はくたか」が同じく時速160キロで運転していた。

思い切って乗降客の少ない駅を整理し、路線を直線化して踏切を無くし、既存車両でも高速に走れる環境を作れば、新幹線でなくとも所要時間を半分くらいにはできそうなものだ。智頭急行線はまさにこうなっているし、常磐線の一部、津波で線路がなくなった部分では実現された。実際、地方には普通列車よりも特急列車の方が多く走っていて、停まる列車も1日5本程度という駅も少なくない。これはバスで補完したほうが合理的ではないか。

今はIoTの時代だ。バスをネットに組み込み、地域にスマホで位置情報を提供し、乗客は乗りたい場所をスマホでタップすれば、バスは路線中のどこででも停車し、客は乗降できる。バス停も不要だ。まさに人口が少ないからこそできることで、都会でこんなことをしたらパニックだ。

こうすることで、どこで、いつ、どんな人(性別や年齢、職業など)が、どこまでバスに乗ったかを記録できる。このデータを天気や気温、曜日、イベントなどと一緒にAIに学習させれば需要予測ができる。効率的で、使い勝手のいいバスの運行ダイヤをAIに作らせれば、様々な合理化が実現でき、まさに人手不足時代のビジネスモデルにならないだろうか。