なぜ地方は廃れていくのか ~育児について~

投稿者: | 7月 11, 2020

大都市とは人口がどれくらいから言うのかは分からないが、人が多い街は夜も華やかである。いろんな店があり、選択肢も多い。チェーン店の居酒屋から高級クラブまで揃っている。

対して地方の飲み屋街に行くと、ほぼほぼ場末のスナックしかない。人口が少なければ、飲み屋も多くない。選択肢も乏しく、どの店も特徴が無いため、客は店との相性で行きつけを決める。若い女性も少ないので、華やかさにもかける。その代わりに飲み代は安い。相場は三千円から四千円。シャンパンを入れても一万五千円。下手をすると、シャンパンなど置いてなかったりする。

なぜ地方が寂れているのか?どこも共通しているのは、かつては栄えていたと言うことだ。産業が無くなり、雇用が無くなり、街に住めなくなった人たちが出て行った。

どうしてこうなった?北海道に多いのは炭鉱が閉鎖された街。坑夫らが一斉に街を出て行った。そして、全国的に多いのが、工場が閉鎖された街。大企業や下請企業がコスト削減のために積極的に海外に工場を移した。雇用が無くなり、街に住めなくなった人たちが出て行った。

街から出て行ったのは労働者だから、当然若い人たちだ。若い人が減れば子供が減り、年金暮らしの人たちや公務員、教員らが残る。産業が減り、街は硬直し、高齢化が進む。

海外に工場を移転すれば、技術やノウハウの移転も進む。現地の法律に詳しくなかったり管理が甘かったために、乗っ取られた会社も多数ある。気がつけば進出先と経済力が逆転し、今や中国の方が物価も高く、富裕層も圧倒的に多い。日本で億ションはまだまだ少数派だが、中国では三億円のマンションもザラにある。

自分の知る限り、他国と比べて日本は子供を育てにくいと感じる。仕事を辞めれば認可保育園には入れない。保育園料は高額だ。0歳児だと月に5万円以上する。私立高校と変わらない。子供が三人いても、専業主婦なら認可保育園に入れない。保育料は月に12万円を超える。私立大並みだ。

専業主婦なら保育園に行かせずに子供の面倒を見ればいいと思う人が多いだろう。この考え方が、育児における一番の障壁だ。

海外ではそんな発想はない。

介護にしろ、育児にしろ、日本人は家庭に押し付ける考え方が強い。実際に受け持つのは主婦だ。小学校に行かせるのはなんとも思わないのに、保育園だとダメだと言う。愛情がどうだのこうだの。そのくせ年寄りは、保育園は騒音施設だと喚く。まあ、この話はまたの機会に。

いずれにしろ、日本では小学校に入るまでの子育てが容易ではない。一番手間のかかる時の公的支援がものすごく弱いから、子供を産みたくても産めないのだ。地方創世とは、雇用創出と子育て施策の充実がなければ実現できないと、つくづく思うのだ。