叔父の葬儀も終わり、実家でとりとめのない話を両親としていた時、ふとiPhoneに表示されたニュース記事が気になった。
「責任を取り、自民党を離党」
小さな画像には見たことのある顔が写っていた。思い出してみる。
あ、バス停だ。
実家のすぐ近くにあるバス停から駅まで行くバスに乗るのだが、そこに大きなポスターが貼られていたはずだ。バス停に向かって歩けば絶対に目に入る。
昨年まで8ヶ月ほどだが、実家のすぐそばのマンションを借りて住んでいたので、それはよく目にしていた顔だから、人の顔を覚えるのが苦手な私でもサブリミナル効果のように覚えていたんだなと感心する。
そんなことはどうでもいいのだが、何をしたんだ?週刊新潮のツイッターで音声公開とあるので検索してみた。
これか。
再生するとYouTubeアプリが起動し、再生を始めた。
「ちーがーうーだーろー!」
この後、音声がテレビで散々流されることになる、野々村議員以来のヒットだ。
ん?と言うことは?
母が言う。
「この人、お祭りで挨拶してたわよ。」
こいつ地元かよっ!
母は自民党が嫌いな上に、地元選挙区の女性代議士がネットで、週刊誌で、テレビで晒されているのだ。母は苦手だ苦手だと遠ざけていたスマホにかぶりつきだ。別の意味でお祭り状態だ。翌日になると、街のあちこちでこの代議士の話が耳に入ってきた。地元だから当然か。
さて、私は実家を後にし、今日の目的地である飛騨高山へと向かった。かつては名古屋周りが当たり前だったが、北陸新幹線の開業で、富山周りも選べるようになった。富山の知人曰く、
「高山は富山から車ですぐだよ。」
確かに、岐阜の知人も話していた。
「あそこは異常に遠い。」
今はワイドビューになった特急列車「ひだ」。子供の頃はキハ81系だった。小学生の時に買った国鉄時刻表の表紙で、川面の上を走る特急ひだ号の写真を見て以来、ずーっと高山に行ってみたかったのだが、なかなか機会がなかった。大宮から「かがやき」に乗り、二駅で富山駅。すぐに乗り換えて高山へ。車窓からの眺望が美しい。名古屋周りなら5時間以上かかるのだが、4時間で着いてしまった。
駅を降りて驚いたのは、駅舎が立派なこと。駅前がずいぶんと拓けていて、ビルがいくつもあったことだ。市役所以外はホテルかマンションだった。
ホテルに着いたのは19時前。糖尿の父に付き合って、こんにゃく麺と豆腐麺を混ぜたそうめんをつけ汁にしたので、とっくに腹が減っていた。前日は父だけこんにゃく麺の冷やし中華にしたのだが、そのせいか夕食前に父は低血糖になったこと、麺好きの父の前で、自分だけ本物の麺を食べるのも申し訳ないので、一工夫して自分も同じ食事に付き合ったのだ。
50年ほど生きていれば、いろんな経験をするものだ。さほど破天荒な生き様だとは思わないのだが、あまり他人が知らないことを見知ってきたらしい。そんな私の人生の切れ端でも誰かの役に立つかもしれないなら、記録として残す価値はあるかもしれないなどと考えながらブログを更新している。(詳しく読む…)