私は細かい性格だ。小さなことがどうしても気になってねえ…などと杉下右京氏みたいなセリフは吐かないが、細かいことが気になるのは事実だ。記憶力も若い頃よりは低下したとは言え、悪い方ではない。つまり、根に持つタイプだ。おまけにビビりなので、性格はおのずと内向的になる。人と付き合うのはあまり好きではない。機械の方がいい。なので、コンピューターやネットとは親和性が高い。一歩間違えたら引きこもりになっていただろう。
実際、最初の仕事はプログラマーだ。すぐに設計を任されたのでシステムエンジニアになり、数年後には基本設計だけでなく、要件定義の会議にも参加していた。自社製品がヒットすると、いろんな案件が飛び込んできた。今で言うところな「ソリューションビジネス」つまり、企業が抱えている問題をITで解決するものである。仕事はエンジニアの範疇を超えて、コンサルタントになった。システム開発のみならず、仕組み全体の構築に及んだ。つまり企画屋である。これが今の私の仕事である。
細かいから大雑把な人が苦手だ。ビビリだから大胆なことができない。調子に乗ったり、勘違いして大胆なことをしてしまうことはある。いわゆる「やっちまったな。」である。雑な仕事をされるとイラっとする。間違った言葉遣いは混乱する。
例えば「パソコンにメールを送れ。」だ。地方の中小企業でよく聞かれるセリフだ。
意味が分からない。
そもそも、メールとはパソコンに送るものではない。パソコンからメールソフトを介して送信サーバーに送られたメールを、受信サーバーが受け取り、保管する。パソコンのメールソフトは受信サーバーにアクセルして、メールがあるかどうかをチェックし、あればそれをパソコンにダウンロードする。
そもそもメールの宛先はメールアドレスであって、パソコンではない。パソコンに送るのならば、MACアドレス宛に送ることになるが、そんなプロトコルは存在しない。
つまり「パソコンにメールを送る。」ことは不可能なのだ。
その不可能を「やれ」と言われれば混乱するのは当然だ。え?細かいことを言うなだと?うるさい、細かいことまで気になるからエンジニアなんだよ。大雑把な性格のエンジニアでは、動くものも動かない。
結局、会社のメアドを受信できるようにセットアップしてあるパソコンが会社にある一台だけだから、メールアドレスとパソコンを混同してるのだ。紛らわしい。言葉は正確に使えと強く言いたい。
50年ほど生きていれば、いろんな経験をするものだ。さほど破天荒な生き様だとは思わないのだが、あまり他人が知らないことを見知ってきたらしい。そんな私の人生の切れ端でも誰かの役に立つかもしれないなら、記録として残す価値はあるかもしれないなどと考えながらブログを更新している。(詳しく読む…)