憧れの「りょうもう号」~柏から太田市へ~

投稿者: | 7月 11, 2020

ホテルのチェックアウトを延長して仕事を済ませる。今日は午後3時から群馬県太田市で開催される記念式典と祝賀会に招待されているのだ。普通にチェックアウトしても時間を持て余してしまうので、昼まで仕事をしてから移動することにした。柏から太田までは、北千住まで出てから東武線特急「りょうもう号」で1時間ほど。

40年前になるが、私は草加に住んでいた。小学校で同級生だけでなく、教師からも激しいイジメに遭ったので思い出したくないのだが、当時は竹ノ塚から先はまだ複々線ではなく、高架でもなかった。近くの谷塚駅は木造駅舎で、当時小学校三年生だった私は、よく一人で千駄ヶ谷の祖母の家まで電車で行っていた。特急けごん号、きぬ号、そして当時は急行だったりょうもう号にいつかは乗ってみたいと子供心に思っていた。

あれから40年。ついにりょうもう号に乗る日が訪れたのだ。

そう言えば、春休みに栗橋に住む臨時担任のお宅にお邪魔した時、通過待ちをしていた越谷駅で、同じ電車に乗っていた乗客がけごん号に飛び込んで、線路に肉片が落ちていたのが忘れられない。大人になってから、あれをマグロと呼ぶこと、そしてマグロの解体ショーを見て、なるほどなと納得したものである。

一昨日の夜、深夜に激辛料理を食べに行ったために、あまり寝る時間がなかった。なので、昨晩は二次会が終わったら、人に見つからぬように、そそくさとホテルに戻った。若者は三次会に繰り出したようだ。訪れた街で金を使い切ることはとても大事なことだが、それも身体の調子が良くてはできぬ。体を壊しては身もふたもない。けいたまもまだまだ小さいし、来年にはけいたまに妹か弟ができる。しかも今回の出張は5泊だ。ホテルではぐっすり眠れない私にはなかなかの拷問だ。

昼前になり、荷物をまとめて部屋を出る。エレベーターに乗ってロビーに向かおうとすると、途中階でエレベーターが停まった。従業員が乗って来るのかと思ったら、開いたドアの先にいたのは知人だった。

「お疲れ。延長したの?」

声をかけると知人は答えた。

「お疲れ様です。ホテルの前の居酒屋で4時まで捕まりました〜。帰りたかったですよー。」

まさに「君子危うきに近寄らず」である。