AirAsia 那覇~成田便の思い出 ~帰宅まで24時間~

投稿者: | 7月 11, 2020

もう5、6年前のことになるだろうか。那覇から成田へ飛ぶエアアジア便に乗った。22時過ぎには着くはずだったのだが、強風で着陸できない。成田空港は深夜は離着陸できないため、羽田に向かうとアナウンスがあったのだが、窓からは星が見えた。すぐ近くの羽田に降りるのなら、雲の上まで高度を上げるはずがない。

どこに連れて行かれるのだ?

まもなく機内にアナウンスが流れた。ふむ、セントレアに降りると。着陸は24時を予定している。近隣のホテルは満室。ロビーは24時間、開いていて、コンビニもあると。

つまり、空港で夜を明かせということか。

ふざけるな。

冗談じゃない。

飛行機はセントレアに着陸し、そのまま降ろされた。翌日に成田まで飛ぶから、搭乗券を捨てずにもって持っていろと言う。

で、どうしよう?じゃらんで検索しても、セントレア内のホテルはすべて満室だ。

うーむ。

そうだ、空港近くの半田市に住む知人に電話してみよう。あ、電話に出た。呑んでるかな?久しぶり〜、夜分遅くにごめんね。実はかくかくしかじかで、ここから半田までタクシーでいくらくらいかかるかな。え?迎えに来る?ホテルも取っておくって?

マジで?

ありがとう!

一時間もせずに知人が迎えに来てくれた。彼によれば、いつもなら酒を呑んで寝てるのだが、今日はなんだか飲む気がしなくて、ちょうど寝ようとしたところに私から電話があったのだと言う。

ついてた。ラッキーだ。

そのまま半田市内の居酒屋に直行し、朝方四時まで呑んでからホテルに行った。フロントの電気は消えていて、私宛のメッセージとルームキーがカウンターの上に置かれていた。

翌日、セントレアに向かうと、予定通り13時発で成田に向かうとアナウンスがあった。

この日は宇宙戦艦ヤマト2199のテレビ放映開始日だ。成田までは一時間もかからない。ヤマトが始まる17時までには浦安の自宅に着くだろう。

搭乗して1時間が過ぎた。まだ飛ばない。整備不良で、その対応のための書類を準備しているとの説明だ。なんでも機内のLEDが一つ切れていて、そのまま飛ぶには、許可申請を担当の行政に提出しなくてはならないのだという。

なんだそれ?

ヤマトが始まってしまうではないか!

結局、15時に飛行湖は飛んだ。1時間ほどで、成田に着いた。いや、機体は着地した瞬間、加速して機首を上げた。

なんでやねん!

いわゆるタッチアンドゴーだ。初体験だ。またもや着陸できなかった。小学生くらいの女の子がつぶやいた。

「残念だったね。」

飛行機は再度、アプローチして無事に着陸した。

ああ、やっと家に帰れる。ヤマトにギリギリ間に合うかな。え?強風で武蔵野線のダイヤが乱れている?

オーマイガッ!

結局、自宅にたどり着いたのは、那覇を出てからちょうど24時間後だった。もちろん、ヤマトの放映には間に合わなかったが、録画予約しておいたので、事なきを得たのだった。