新潟と言えば?思い浮かぶのは人それぞれ

投稿者: | 7月 11, 2020

富山と言えばホタルイカと寒ブリ。
金沢と言えば香箱かに。
では、新潟と言えば?

私の中では「へぎ蕎麦」だ。新潟に来てへぎそばを食べずに帰る、私の中ではあり得ないのだ。吉野家に行き、牛丼はおろか、納豆だけをオーダーして食べて帰るくらい、ありえないのだ。この光景を一度だけ見たことがある。もう二十年以上前になるだろか。たしか幡ヶ谷駅前の吉野家に、カウンターで納豆だけを食べている小学生がいた。

なかなかシュールな光景だった。

今から考えてみれば、たしか小学生は二人組だった。一人が牛丼を食べようと言い出し付き合ったものの、腹が減ってないのか、小遣いがないのか、納豆だけを注文したのだろう。

「だけどさあ、蕎麦なんて全国各地にあるでしょう?」

ボソッと新潟県民がつぶやく。

「村上牛って言ったって、宮崎牛とか全国的に有名なのがたくさんあるし、村上の塩引き鮭だって、東北や北海道はみんな鮭獲れるし。新潟にはいいものがたくさんあるんだけど、なんか一番ってのがないんだよね。」

村上牛は美味い。冷めても美味い肉なのだ。

じゃあ雪国まいたけは?私の問いに新潟県民が真顔で答えた。

「ね、舞茸って美味しいと思う?」

まさかのカウンター。いや、暴投だ。ビーンボールだ。岩城でないと打ち返せそうにない。美味しいと思うけどなあ。

となりで富山県民が力説している。

「富山以外のホタルイカは、美味くないんだわ。」

鳥取でも兵庫でもホタルイカ獲れるんだけどなあ。まあ、富山湾は別格だよね。

「富山の人はさ、石川の海に富山湾とか名付けて、能登で獲れるものを富山産と称するんだわ。」

石川県民が酒の席で愚痴っていたのを思い出した。地元愛、いや地元と呼べるものがない浮草人生の私には、いまいち理解できないのであった。